kazutomoのブログ

たまーに気が向いたらなんか書きます

MacBook Pro 13 Late 2016(without TouchBar) を使い始めて3週間が経ったので感想

Macbook Pro 13 Late 2016(without Touchbar)を使い始めて約3週間が過ぎたので、そろそろ感想を書こうと思う。

まずはいいことを話したいと思う。

おそらく、MacBook Pro 2016 に興味を持ってる多くの人が気にしているだろうUSB周りについて。 私はこれまで、Macbook Air 11 Early 2015 を使ってきたが、充電用のMagSafe, 外部ディスプレイと接続しているminiDP, 各種周辺機器と接続しているUSB TypeAハブを接続しており、外出のたびに外していた。

しかし、今では USB-C Digital AV Multiportアダプタ にこれらが集約されており、このアダプタを抜くだけで外出できるようになった。これは予想以上に快適だった。

次に、Retina Displsy。これまでMacBook Air を使っていたため、ディスプレイはRetinaではなかった。 そのため、4kモニタ利用時には本体は閉じた状態でシングルディスプレイとして利用していた。これは、あまりに解像度の差があってまともに使えなかったからだった。

しかし、RetinaディスプレイMacBook Proは4kディスプレイと並べても遜色のない解像度だ。 そのため、4kディスプレイの前に配置して上下二画面でデュアルディスプレイとして利用している。 上画面にプログラミングのエディタを、下画面にブラウザを開いて作業をするというのはさながらニンテンドーDSの二画面(メイン画面と補助画面)のようで、なかなか快適だ。

次はメモリ積載容量の増加。 最近のブラウザ作ってる人間はセレブなのかしらないが、とにかくメモリを食う。タブ一つで1GB食うような、32bit時代だったらバグ扱いレベルのブルジョアっぷりだ。 更に私はIDEとしてEclipseを愛用しており、こいつも2GB近くメモリを食う。そんなEclipseを開発言語毎に複数開いている。 また、開発にはVagrantを利用しており、仮想マシンも動いており、これらが1GB単位でメモリを持っていく。 どう考えてもメモリ積載容量8GBまでのMacBook Airでは支えきれず、本当は開いておきたいアプリケーションを閉じたり、日々メモリスワップによる性能劣化と戦っていた。

しかし、MacBook Pro でメモリ積載容量が16GBになったので、かなり余裕が出来た。とはいえ、本音を言えば32GB欲しかった。 16GBでは油断するとまだスワップしてしまうからだ。 一般的なPCのメモリ積載容量は4GBであり、これだとタブを3,4個開けばもうメモリスワップしはじめることになるだろう。メモリスワップした環境でいくら優秀なjsの実行エンジンが動いたとしても本来の力を発揮することはできないはずだ。 私はブラウザのパフォーマンス競争の軸を変えてくれることを心から願う。

次にサウンド。 MacBook Airのスピーカーは最悪だった。 キンキンだし、割れるし、あくまで内蔵スピーカーと割り切らなければ使えないレベルだった。 今回私が購入した MacBook Pro(without Touchbar)はスピーカー周りの機構がTouchbar付きと比べるとランクが落ちているようだが、それでもMacBook Airよりは明らかに良くなっている。

音の傾向がキンキン音から、普段使っている B&W MM1 に近いしっとりとした質感になったと感じる。

Bowers & Wilkins(バウアーズ&ウィルキンス)「MM-1」 MM1-B

Bowers & Wilkins(バウアーズ&ウィルキンス)「MM-1」 MM1-B

ここからは、残念ながら良くない話になる。

最初のよくないことは みんなの不安通り、USB周りについて。 残念ながら、ここは最悪だ。現状は純正アクセサリすら信用できない地獄としか言い様がない有様だ。

まず最初に、私を一番驚かせた Thunderbolt 3(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタ だ。 私はこれまで購入してきた Thunderbolt周辺機器を無駄にしないため、またminiDPでの外部出力を期待してこのアクセサリを購入した。 しかし、見事にこの期待は裏切られた。

support.apple.com

Thunderbolt 3 (USB-C) - Thunderbolt 2 アダプタで以下のデバイスに接続することはできません。

  • Apple DisplayPort ディスプレイ
  • DisplayPort デバイスまたはアクセサリ (Mini DisplayPort - HDMI アダプタ、Mini DisplayPort - VGA アダプタなど)
  • Thunderbolt 非搭載の 4K Mini DisplayPort ディスプレイ

そう。このアクセサリはDP出力には対応していなかったのだ。

次に、USB-C Digital AV Multiportアダプタ についてだ。

support.apple.com

HDMI 内蔵の HDMI ポートで、4K ディスプレイおよび Ultra HD TV を以下の解像度およびリフレッシュレートで使用できます。

  • 3840 x 2160、30 Hz のリフレッシュレート
  • 4096 x 2160、24 Hz のリフレッシュレート (この解像度で使う場合、ミラーリングはサポートされません) MacBook (Retina, 12-inch, Early 2015) 以降は、USB-C Digital AV Multiport アダプタを使用して、HDMI 1.4b で以下の解像度とリフレッシュレートに対応します。

この通り、HDMI出力では60hzでの出力が出来ない。 ディスプレイポートでは可能なようだが、現在Thunderbolt3からディスプレイポートへの純正変換アダプタが存在しない。 Appleの提示できる高解像度で高リフレッシュレートな外部映像出力の唯一のソリューションは、Thunderbolt3で接続可能なLGの5Kディスプレイを買うことなのだろう。しかし、これは今日現在未発売だ。

このように、メインストリームにUSB TypeCオンリーを持ち込むには、まだ周辺機器がついてこれてない。というのが正直な感想だ。

次に、キーボードだ。 無印MacBookより改良が加わっているというのには納得するが、まだまだフィードバックが固い。 タイプするたび指先に受ける衝撃はiPadのソフトウェアキーボードでタイプしているような感覚だ。痛くなるわけではないが「板をタイプしている」と感じる。 そのため、本体のキーボードは外出時に仕方なく使うもの。と とらえざるを得ない。

タッチパッドが広がったのはメリットではない。 アップルはドヤ顔でタッチパッドの面積が広がったことをアピールしているが、私にはデメリットの方が大きかったようだ。 というのも、大きくなったタッチパッドは筐体手前ギリギリまで広がっており、手のひらを筐体に置いたときに反応してしまうのだ。 最悪なのが、キーボードをタイプして、手のひらがタッチパッドの上に乗った状態で、カーソルを操作して、タッチパッドの左下隅をクリック!としてもマルチタッチと認識されるせいか、反応しないことがある。 これは物理的なボタンが廃止され、タップティックエンジンによる仮想ボタンに変わった影響が大きい。 物理的なボタンならこんなことは起こらないはずなので、もう少し頑張っていただきたい。

Apple Magic Trackpad 2 MJ2R2J/A

Apple Magic Trackpad 2 MJ2R2J/A

最後に、重さだ。 MacBook Proとしては過去最軽量かもしれないが、MacBook Air使いからすると重くなってしまった。

結局、私が欲しかったのはこのMacBook Proではなく、MacBook AirRetinaディスプレイになって、メモリ積載容量が増えたものだったのだろう。 とはいえ、私がいくらそんなことを願ってもAppleがそれに応えてくれるとはとうてい思えないので、アクセサリの充実や、タッチパッド周りのソフトウェアの改善に期待するしか無さそうだ。

最強のバックパックを探してようやくたどり着いた Aer FIT PACK

早速ですけど、新しいカバンを買いました。

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Aer の FIT PACK です。

というのも、ここ数年は ずっと斜めがけのボディバッグを使ってきたのですが、
生活環境の変化もあり、ちょっと厳しいなあ。と思うようになったためです。

環境変化とは以下の点です。

  1. 起業してノートPCを持ち歩くようになった
  2. 1泊2日程度の出張が多くなった
  3. カンファレンスに登壇することが多くなった

1つ目のノートPCですが、これまで MacBook Air 11インチを愛用してきましたが、ついに MacBook Airディスコンとなってしまいました。
その関係で、先日発表された MacBook Pro 13インチに乗り換えたのですが、これまで使っていたボディバッグに入れるにはサイズ的に厳しい印象でした。

Apple MacBook Air (13.3/1.6GHz Dual Core i5/8GB/128GB/802.11ac/USB3/Thunderbolt2) MMGF2J/A

Apple MacBook Air (13.3/1.6GHz Dual Core i5/8GB/128GB/802.11ac/USB3/Thunderbolt2) MMGF2J/A

 

 2つ目の出張についてですが、泊まりの出張となると着替えを持ち歩く必要があります。

すると、衣類もカバンに入れることになるわけですが、スタバでドヤMacしようとカバンからMacを取り出そうとすると
カバンの中のパンツがこんにちは したりするわけで、ドヤどころでなくなってしまったりします。 

3つ目のカンファレンスに登壇することが多くなった。という点ですが、

カンファレンスに登壇するときにはプロジェクターなどに画面を映すためにHDMIだったり、VGAだったり、ミニディスプレイポートだったり、様々な出力インターフェイスを想定した周辺機器を持ち歩いておかなければならないです。
さらに、2つ目で話したように宿泊出張となると iPhoneApple Watch の充電器も持ち歩くことになり、ケーブル類がぐちゃー。となってしまうと、目的のケーブルを取り出すのが大変でした。

 そのため、これらの環境変化に対応するために、以下の条件でカバンを探し始めました。

  • MacBook Pro 13インチ が難なく収納できること
  • 衣類のスペースとPCのスペースを明確に分けられること
  • ケーブル類をある程度分類して収納できること
  • ボディバッグまたはバックパックのような両手が使えるもの
  • おっさん臭くないこと
  • 値段がそれほど高くないこと

栄の百貨店のカバン屋を巡っていましたが、なかなかいいものがありませんでした。
PC が収納できるものとなると、急におっさん臭くなったりします。

こういうやつとか 

こういうやつ。

 

そんな中、目に止まったのが今回買った Aer というメーカーの 別型番の製品 SLING BAG でした。

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ただのボディバッグかと思って見ていたのですが、このカバンの面白いところは上部だけでなく下部にもチャックがついていることです。

(?????)

わかります。私も最初は意味がわかりませんでした。カバンの中身がドバーしちゃうじゃん?って思いました。
Aer はもともとジムに通う人たちをターゲットに設計されたカバンで、衣類とシューズを分けて収納できる。ということをコンセプトに設計されています。

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鞄の中は W みたいな構造になっていて下の凹みにシューズを、上の凹みに衣類が入れれる。というものでした。

これには正直、目から鱗が落ちました。
おお、私の場合は衣類をシューズスペースに入れれば、PC用のスペースに干渉することはないのだな!と。

 しかし、残念なことに 上部の収納がガバガバで、ケーブル類を分類したい。というニーズには応えてくれませんでした。

そこで、Aer のサイトの別モデルが有るんじゃない?とおもって見に行ったわけです。

すると、ありましたよ!

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今回買った FIT PACK です。
SLING BAG のようなスタイリッシュさがないのが少々残念ですが…。

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PCの収納も楽々できるサイズで、PCの収納空間はクッション付きです。

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バッチリケーブルを分類して収納するスペースも付いています。

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SLING BAG で感動したシューズの収納空間も FIT PACK にも付いていました!

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更に嬉しい誤算として、PCと衣類の収納空間だけでなく第三の収納空間まであります。

あと、条件に入れるのをすっかり忘れていました。

f:id:kazutomo:20161119154503p:plain財布のような ちょいちょい 取り出す細かいものを収納する空間もバッチリ備わってます。

しかも、Aer のサイトを見ていて気づいてしまいました…。

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SLING BAG は店頭で見たときは11,000円くらいだったのですが、Aerのサイトでは60ドルと記載されています。
そして、この FIT PACK も日本で買うと 23,000円 ほどしますが、Aerのサイトでは 120ドル と記載されています。

Aer の公式通販サイトでは、国外発送もしてくれるようで、日本向けには 15ドル の送料で輸入できそうでした。

そのため、135ドル(14,000〜15,000円) で買えました。トランプ大統領様のせいで 105円近辺だった為替相場が今は 110円近辺になっているので、購入時の想定より決済時の為替レートは悪くなってそうですが、それでも日本で販売されているものを買うより安く買えました。

かるーく使ってみましたが、使い心地も悪くないです。
みなさんもカバンの買い替えを検討する際には Aer も候補に入れてみてもいいかもしれませんよ。

www.aersf.com

あなたは Nintendo Switch の Joy-Con のLRボタンに気づいたか?

Nintendo Switch が発表されましたね。

コントローラー部分が取れて(Joy-Con)、携帯機のようなのに2Pで遊べちゃう。という特徴があります。
その、Joy-Con にL/Rボタンがついていることに気づいてました?

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マリオカート遊ぶのにLR無いと困るもんねー。

 

 

 

任天堂“驚き”を生む方程式

任天堂“驚き”を生む方程式

 

 

東のエデン感想【ネタバレあり】

え?今更?と思われるかもしれませんが、ようやく見ました。

ちょいちょい名前は見るけど、実際に見たことがなかったアニメでしたが、ようやく見たので感想を書きたいと思います。

なおテレビシリーズ+劇場2作を見た後で、ネタバレありの内容です。

 

端的に感想を述べると、設定はすごくよかったですが、物語の構成が悪かった。です。

 

12人のセレソンが選出され、セレソンはノブレス携帯という特殊な携帯電話が与えられる。

ノブレス携帯にはジュイスという音声認識コンシェルジュ機能が付いている(siriとかcortanaみたいなもの)。

ジュイスへの命令はあらかじめ与えられた100億円を利用して実行される。

100億円は日本をよくするために利用しなければならない。

私的な利用が続いたと判断されたり、残額が0円になったのに日本をよくしたと判断されなかったり、長期間ノブレス携帯を利用しなかった場合は12人のセレソンに紛れたサポーターによってゲームを下ろされる。

セレソンジュイスに依頼したことで発生した出費は他のセレソンからも参照可能。

いずれかのセレソンが日本をよくしたと判断されたとき、他のセレソンはゲームを下ろされ、勝者となったセレソンは主催者であるアウトサイドと直接会うことが出来る。

 

このあたりが物語の中核となるセレソンゲームの概要です。

すごく魅力的な設定だと思います。さすが神山さんと言ったところでしょうか。

 

そして、この物語にはもう一つ魅力的な設定があります。

東のエデンという大学のサークルが作った画像認識システム、通称エデンシステムです。

携帯電話で物体にカメラを向けるとその物体に関する有志によって投稿されたメタ情報が表示されるというものです。

いわゆるAR技術で、セカイカメラみたいなものですね。

ただ、トンデモ設定として、物体をあらゆる角度から撮影しても正しく認識される。というものがあります。

 

登場人物は12人のセレソンと、東のエデンの部員が中心となりますが、セレソン12人もいらなかったのでは?というくらい個々の描写が甘く、物語の構成として何のためにセレソンに選抜されたのかわからない人物もいました。

 

東のエデンの部員もみんな個性的で魅力的で、物語の進行に絡んでいろいろ奮闘するのですが、結局のところあまり成果が上がりませんでした。

 

なにより、エデンシステムはテレビシリーズのちょうど中盤で登場しました。

なので、私はこのエデンシステムを活用して他のセレソンを出し抜いて勝者となる。という筋書きなのだな。と思ったのですが、このあたりはうまく機能しませんでした。

結局ただのSNSのように描画されてしまったのです。

 

サポーターもそうです。セレソンの監視者として、有効に機能したエピソードがありませんでした。

 

個人的には題材はいいのに、うまく物語として調理できなかったなあ。という印象でした。

おそらく、物語を再構成すれば、本作は東のエデン・エデンシステムが無くても同等の物語が作れてしまうでしょう。

 

もっと、エデンシステムや東のエデンのみんなが物語の中核に関わるか、いっそ切り捨ててセレソンゲームに特化した物語だったほうが面白かったのかなあ。と思いました。

 

さて、ここまでは設定に関しての感想でしたが、テーマについてはどうか。

 

物語のテーマも興味深くて「閉塞感のある日本をどうにかしよう」です。

セレソンは個々の思うままに日本をよくしようとするわけですけど

セレソンには選抜基準があって、事前にアウトサイドに100億円与えられて、日本を変えてくれ。といわれたらどうする?という質問に対して興味深い回答をした。という前提があったはずです。

その割に、あまりにも「ゲームの勝者になることに興味は無い」という登場人物が多すぎました。

せっかくなら、ちゃんと個々の思想を持たせて、ぶつかり合わせるべきだったと思います。

それこそが、閉塞感のある日本を打開するために様々なアプローチがあるのだ!という制作側のメッセージになったとおもいます。

おそらく制作側もテーマは考えたけど、具体的な手法までは及ばなかったのかもしれません。このあたりは非常に残念でした。

 

劇場版の最後に滝沢が全国民に問いかけるあたりも、それで人は動くだろうか?というセレソンナンバー1番や私の思いに対する回答はありませんでした。

一方でアウトサイドからはゴール判定がでます。ちょっと納得がいきませんでした。だって、まだ日本はよくなってないですから。

 

総括すると、この設定を引き継いで、じっくり練られた話が見てみたいなあ。という、印象を持ったおはなしでした。

 

 

 

 

 

ゲーム市場の未来(2) - ハイエンドゲーム市場の未来

さて、二回目からはゲーム市場の今後について考えてみたいと思います。

 

今ゲーム市場は大きく3つの市場があります。

・ハイエンドゲーム専用機

スマートフォン向けゲーム

・インディーゲーム

 

そして、新機軸としては2つほど上がっています。

・VR/MR

クラウドゲーミング

 

今回はハイエンドゲームについて考えてみたいと思います。

ハイエンドゲーム市場は文字通り最先端のグラフィック技術を活用したゲーム市場です。

国産ゲームとハイエンドゲーム市場

今後、国産ゲームでこの市場を取ることは難しいでしょう。

というのも、最先端のグラフィック技術はアカデミックな知識が要求されますが、日本では高学歴な人がゲーム会社に入社する土壌がないのも大きな理由となります。

また、日本はスマートフォン向けのゲーム市場が非常に大きく、人口一人あたりの課金額も世界最高となっています。

そのため、日本のゲーム会社はハイエンドゲーム市場より、スマートフォン向けのゲーム市場を優先することは避けられない事も関係します。

 

 

海外産ゲームとハイエンドゲーム市場

国産ゲームでハイエンドゲームの市場を取ることは難しいという話をしましたが、海外産ゲームはどうでしょうか。

海外ではハリウッド映画をはじめとして、大きな資金を集める仕組みが出来上がっているのは大きいです。

 

というのも、ハイエンドゲームの開発には莫大な資金が必要となりますが、その資金の回収は実際に世に出さないと得られませんので、非常にリスクの高いビジネスとなります。

ゲーム会社一社でそのリスクを背負ってゲーム開発をするのは今後難しくなっていくでしょうから、そういった資金調達の仕組みが回っているというのは大きな意味があります。

 

 

ハイエンドゲーム市場の今後

ハイエンドゲーム市場の存続はなかなか難しいと言えます。

先ほど言ったように、ハイエンドゲームの開発には資金が必要となり、使った資金は回収する必要があります。

つまり、それだけのボリュームの市場規模が無ければビジネスとして成立しないということです。

 

近年、ゲームソフトの小売価格も上がり続けていますが、この流れは止めることはできないでしょう。

なぜなら、ハイエンドゲーム市場のユーザ層の拡大は期待できないため、今居るユーザに対して商売をしていく事になるためです。

 

仮に開発会社にはいるリターンを1本あたり3000円とします。

ゲームの開発に10億円。宣伝に10億円使ったとします。ビジネスとしてやる以上、最低でも50億円は売上をあげたいところです。

すると、166万本は売る必要があります。

 

現時点ではワールドワイドで166万本売るのは難しくはありますか不可能ではありません。

例えば、比較的最近発売された新規IPのUbiのDivisionというタイトルがありますが、ワールドワイドの売上はおよそ550万本となっています。

今後、市場規模が縮小していまうと商売にならなくなってしまいますので、いかに現在のボリュームより小さくならないよう務めるかが肝になりそうです。

 

ディビジョン

ディビジョン

 

 

ゲーム専用機の今後

ハイエンドゲームを遊ぶ環境というと、今はプレイステーション4を思い浮かべる事が多いかもしれません。

しかし、今後もゲーム専用機がハイエンドゲームの中心にいる状態が続くかも危ういところがあると思います。

 

それは、ゲーム専用機は専用設計されたアーキテクチャを採用し、未来を先取りしたような製品を出す。という方針から、パソコン向けの技術を応用して開発する方向に舵を切っている為です。

実際、年末発売予定のPS4 Proは4.2TFLOPSという性能。来年発売予定のXbox Scorpioは6TFLOPSという性能だとされています。

この性能はパソコン向けGPUでいうとミドルハイくらいの性能です。

現時点で製品化されているハイエンドGPUはベースクロックで8.2TFLOPS。オーバークロックすると10TFLOPSを超える性能があります。

その為、真のハイエンドゲームを遊べる環境は発売時点ですらゲーム専用機では得られない環境になっていまいました。

 

今後、ハイエンドゲームがハードコアゲーマーの為の市場として継続していけばいくほど、より美しいグラフィックで遊ぶため、ゲーム専用機では満足せず、高いお金を出してでも、パソコンでゲームを遊ぶという方向に流れていくかもしれません。

すると、現在の形でゲーム専用機ビジネスを継続していくことは難しくなる可能性が出てきます。

 

PlayStation 4 Pro ジェット・ブラック 1TB (CUH-7000BB01)

PlayStation 4 Pro ジェット・ブラック 1TB (CUH-7000BB01)

 

 

 まとめ

ハイエンドゲームやハイエンドゲーム専用機の未来はなかなか難しい状態にあると考えられます。

ハイエンドゲーム市場を維持するには市場のボリュームをいかに維持するかが鍵となりそうです。

また、ゲーム専用機が存続するには、手ごろな価格でソコソコの画質でゲームを遊びたい。という層をしっかりはなさず、できればハードコアゲーマーがパソコンに流れないよう努力する必要がありそうです。

 

※ この記事は個人の主観で書かれており、過去に所属していた会社や所属している会社の見解ではありません。

ゲーム市場の未来(1) - ゲーム市場のこれまで

私はかれこれ10年ほどゲーム業界で働いてきました。
そして、働き始める前もゲーム漬けの日々を送ってきました。
その歴史は物心を付いたときから数えて25年近くになります。

この四半世紀のゲーム機の進歩はすさまじいものがありました。
しかし現在、ゲーム専用機は存続の危機に立たされています。

しばらく連載形式で、家庭用ゲーム機の未来について私の思うところを投稿しようと思います。
今回は、これまでのゲーム市場を振り返ってみようと思います。

デジタルゲームの一般化

この時代は私は直接触れてこなかった時代です。
代表的なタイトルはインベーダーゲームで、テーブルにブラウン管テレビが収まったテーブル筐体という形で、業務用ハードの歴史が動き始めます。

喫茶店などで遊ぶことができ、これまでインタラクティブな映像遊びに触れてこなかった人たちを虜にしていったと聞きます。

スペースインベーダー ゲーム筐体型バンク

スペースインベーダー ゲーム筐体型バンク

 

 

家庭にゲームハード

家庭用ゲーム機という存在が登場し、自宅でゲームが遊び放題な時代が来ました。
この時代の代表ハードは ファミリーコンピュータファミコン) でしょう。

業務用ハードと比べるとポンコツレベルの描画性能でしたが、
それまで自宅で業務用ゲームにの移植作品を体験をするには、X68000やPC98、MSXといった高価なパソコンしか選択肢がありませんでした。(こちらもポンコツ移植だったようですが)
そんななか、15000円ほどで購入できるファミコンは価格性能比で優れており、人気を得ました。

私は幼少期にファミコン中期を経験しました。

※ X68000ファミコンより後やで。というツッコミをもらいました。失礼しました。

 

一強皆弱

その後、スーパーファミコンの世代が訪れます。海外ではジェネシスメガドライブ)が人気でしたが、日本においてはまさに一強皆弱の時代です。
ファミコンからスーパーファミコンへのスペックの進歩はすさまじいものがありました。
文句無しでファミコンからスーパーファミコンへの置き換えは進んでいきました。
思い返すと、私はこの時代が一番家庭用ゲーム機が輝いていた時代ではないかと感じています。

横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力

横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力

 

 

王者交代

次は、俗に32bit世代と呼ばれる プレイステーションセガサターンニンテンドー64 世代です。
この頃、ゲーム機は同一仕様のハードウェアが大量生産される事例として唯一といえる存在で、非常に贅沢な投資が行われました。
その結果、価格性能比は圧倒的なものになりました。
まさにゲームを遊ぶなら業務用ハードやパソコンよりもゲーム機のほうが優れている。という時代です。

この世代の覇者はプレイステーションとなるわけですが、これは素直で開発のし易いハードウェアという特性もあったでしょうが、
一番の変化はCD-ROMを採用したことで、製造コストを下げて(小売の取り分も下げて)、ゲームソフトの最終販売価格を下げたことが大きいでしょう。

CD-ROMは非常に読み込みに時間がかかり、正直なところ、スーパーファミコンと比べてゲーム体験は快適なものではありませんでした。
しかし、それでもスペックの進歩は魅力的で、ロード時間の問題は些細な問題でした。

任天堂は当時ロード時間を強く問題視しており、ユーザのニーズ(低価格>ロード時間短)や、映画などの映像業界色の強い海外主導で初めてゲームハードを開発したことで、ゲーム開発者の気持ちと離れた、開発のしづらいハードウェア設計をしてしまった。といったことが重なって覇権を譲ってしまいました。

美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史 (講談社BIZ)

美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史 (講談社BIZ)

 

 

マルチメディア化と開発マインドの変化

ゲーム専用機は、プレイステーション2ドリームキャストゲームキューブXBOXの世代になります。
引き続き潤沢な投資が行われ引き続き圧倒的な価格性能比でハードウェアが製造されていました。

特にソニーの思惑はゲーム専用機にとどまらず、マルチメディア端末を見据えた動きを見せ始めます。
当時まだ未普及だったDVD視聴機能を搭載し、ユーザをひきつけました。

正直なところ、ゲーム機としての性能で見たとき、後続のゲームキューブXBOXだけでなく、先行して発売されていたドリームキャストより劣るものでした。
しかし、顧客が求めていたのは グラフィック性能 ではなく、マルチメディア機能によって生活が変わることだったようです。

一番売れたのはプレイステーション2だったかもしれませんが、本当にゲームが好きな人の中には、この世代で最も価値があったのはドリームキャストだった。という人もいるのではないでしょうか。
商業的には失敗しましたが、そのくらいゲーム専用機としては魅力的なハードでした。

このころ、開発サイドとしても大きな変化がありました。
開発費の高騰が問題視されるようになってきました。

この頃まで、ビジネスというよりは趣味的にゲーム開発は行われてきていました。
そのため、開発者の興味という要素で会社が回ってきましたが、開発費の高騰とゲーム市場の頭打ちによって利益率が落ちてきたのです。

結果、企業の倒産や統廃合が進みました。
この頃から、ゲーム開発は趣味的な色からビジネス的な色を強くしていきました。

 

王の帰還…?

これまで据え置き型の家庭用ゲーム機ばかり触れてきましたが、ここでそうは言ってられない変化が訪れます。
ニンテンドーDSの登場です。任天堂の仕掛けてきた革新的な変化は、2画面でもタッチスクリーンでもなく、Touch! Generations という、従来のゲームの枠を超えたゲーム体験の提案でした。

脳トレnintendogs、しゃべるお料理ナビ、大人の常識力トレーニングDS。これまでのカテゴライズではゲームと呼ばれなかった製品が、一度ゲーム機から離れてしまった人々を再び呼び戻し、次々ミリオンヒットを飛ばしていきました。

その流れにのって、据え置きハードである Wii も爆発的な売れ行きを見せました。
こちらも、Wii SportsWii fit といった、異色のタイトルが人気を得ました。

しかし、そうした状況は長く続きませんでした。
ニンテンドーDSのブームから5年も経つ頃には、奇跡的に呼び戻したユーザたちも再びゲーム専用機を離れ、ゲームバブルは弾けていました。
この時の任天堂の失敗は、せっかく呼び戻したユーザたちを固定客化することに失敗したことでしょう。

任天堂 “驚き”を生む方程式

任天堂 “驚き”を生む方程式

 

 

黒船来航

Wii の影に隠れながら プレイステーション3Xbox360 も発売されていました。
これらのハードウェアは相変わらず惜しみない投資が行われ、プレイステーションは投資に見合った成果がだせませんでしたが、Xbox360は素晴らしい成果を上げ、未来を先取りしたようなハードウェアスペックで世に送り出されました。

日本市場がDS/Wiiバブルに湧いていた一方で、海外はXbox360への投資が進んでいました。
これは、プレイステーション2の時代に開発者よりビジネス系の人間の発言力が大きくなっていた日本と比べて、海外ではまだ開発者の発言力が大きく
よりハイスペックで、優れた開発ツールで、自由な開発の出来る Xbox360 の人気が高かったのです。

その影響は日本にも訪れていました。
国産ゲームはニンテンドーDSを中心に展開されていました。
そのため、プレイステーション3Xbox360向けには国産ゲームの発売が途切れがちだったのです。

そんなハードコアゲーマーの心の隙間を埋めてくれていたのは海外産のゲーム。いわゆる洋ゲーです。
この頃から徐々に日本でもハードコアゲーマーを中心に洋ゲーが受け入れられるようになっていきます。

Unreal Engine 4で極めるゲーム開発:サンプルデータと動画で学ぶUE4ゲーム制作プロジェクト

Unreal Engine 4で極めるゲーム開発:サンプルデータと動画で学ぶUE4ゲーム制作プロジェクト

 

 

\無料です/

ゲーム市場を語る上で避けられない変化がもう一つ起こっていました。
いわゆるソーシャルゲームの登場です。
最初は facebookmixi といったソーシャルネットワークサービス上の友達と一緒に遊べるWEBゲームが始まりでした。

しかし、日本では変わった形で普及が進みました。
携帯電話向けには i-mode を代表するプラットフォームが公式サイトという形で月額300円程度でファミコンスーパーファミコンくらいの規模のゲームを遊べる環境を作っていましたが、モバゲーとGREEが無料でゲームが遊べる!というのを謳い文句に非公式サイトで勢力を拡大していきました。

当時モバゲーやGREEが提供していたものはゲームと謳っているものの、ほとんどゲームの体をなしていない1ボタンFlashゲームでした。

怪盗ロワイヤル、ドラゴンコレクション、ドリランドといったタイトルでブラウザゲームとしてガチャやスタミナといった独自の文法のゲームが人気を集めていきました。

 

iPhoneブーム

次はソーシャルゲームの世界で新しい流れが生まれました。

iPhone3GS/iPhone4 あたりでソフトバンクが実質無料、割賦販売という方式で、iPhoneブームに火を付けました。
iPhone のブームはソーシャルゲームを飲み込みます。パズドラの登場でした。
ここで初めてソーシャルゲームは家庭用ゲーム的な要素を手に入れたことになります。

その流れは 黒猫のウィズ、モンスト、白猫プロジェクト と続いていきます。
そして、進歩するに従って、ゲーム的な要素はどんどん強化されていきました。

 

スティーブ・ジョブズ I・IIセット

スティーブ・ジョブズ I・IIセット

 

 

専用設計の終焉

すっかり、電話機まわりの話題が続きましたが、再び専用機に話を戻します。

ニンテンドー3DSが発売されましたが、人々の興味は iPhone をはじめとしたスマートフォンに移っており、うまく販売を伸ばすことができずに大幅な値下げを余儀なくされました。
当時の任天堂はDS/Wiiで異常なまでの利益を出していたため、ニンテンドー3DSはコスト感を失い、性能に対して原価が異常に高い状態になっていたため、値下げにより大きな痛手を負いました。

もう一つ、ソニーのVITAです。ここでこれまでで初めてアーキテクチャ面で大きな変化がありました。
ゲーム専用機は同一仕様のハードウェアを大量生産することで、価格性能比の高い製品を世に出し続けてきましたが、同一仕様のハードウェアの製造数では iPhone をはじめとしたスマートフォンの方が圧倒的に多くなっていたのです。

そのため、VITAでは専用のハードウェアの開発をやめ、スマートフォン向けの技術を応用してゲーム機を作るというアプローチにかじを切りました。
この裏では、ソニープレイステーション3に対して莫大な投資を行ったにもかかわらず、結果を出せず債務超過に陥ったソニー・コンピュータエンタテインメントという会社を解体させてしまうくらいの打撃を負った事があります。

その後、同名の会社を再度設立しプレイステーション事業自体は継続されました。

ソニー、SCEのネットワーク事業を吸収合併 新SCEが誕生 - ITmedia ニュース

 

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そして、現在。

専用機ではプレイステーション4が世界で猛威を奮っています。
プレイステーション4 も VITA と同じく、ハードウェアの専用設計はやめて、独自色の強いアーキテクチャで、開発者の適応によって性能を引き出していく。という従来のやりかたは開発費の高騰を招き、開発者に嫌煙されるため、パソコン向けの技術を転用し、移植性を高めることにしました。

おっと。忘れてはいけません。マイクロソフトXbox ONE はといいますと、開発当時にWiiブームを見てKinectというモーショントラッキングによるゲーム開発などに興味を持ってしまい、更にはリビングの中心にあるデバイスとしてホームハブを目指して開発が進められました。
その結果、Xbox360ではゲーム機の性能に全力投球して未来を先取りしたような性能を出していたのに対して、Xbox ONE は少々物足りない性能に落ち着いてしまいました。

結果、iPhoneなどの普及もあり、もはやゲーム専用機にはハードコアゲーマーしか残っておらず、スペック重視でプレイステーション4が選ばれる結果となりました。

ああ、もう一つありましたね。Wii U
Wii Uニンテンドー3DS同様、高コスト体質になった任天堂が価格性能比に合わない製品をだしてしまい、またハードウェアの特徴でも有るゲームパッドの魅力を伝えられず早々に土俵から蹴り落とされてしまいました。

再びプレイステーション4に話を戻して、ハードコアゲーマーの心をつかむことに成功したソニーは次の一手を用意していました。
PS VR です。VR によって新しいゲーム体験を生み出して、ライトゲーマーの心をつかみたい。といったところなのかもしれません。

しかし、現在見ている限りはVRはライトゲーマーの心を掴めそうな代表作が出てくる気配がありません。今後どうなるか注目したいところではあります。

PlayStation VR PlayStation Camera同梱版

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kazutomo.hatenablog.com

 

※ この記事は個人の主観で書かれており、過去に所属していた会社や所属している会社の見解ではありません。

日本人「違和感がありますね」アメリカ人(ああ…)

anond.hatelabo.jp

このエントリを見て思い出した話。上のエントリとは直接関係ないです。

 

会社勤めをしていたときに、アメリカ法人と付き合うことがよくあったわけですが
飲み会の席でアメリカ人から聞いた話です。

アメリカ人「日本人はよく”IWAKAN”って言うよね」
アメリカ人「で、入社して最初に教えてもらったことの一つに、日本人が”IWAKAN”って単語を使ったときには、”お前の話はダメだ”と受け取れと言われたよ」

その背景には”違和感がある”というのは、本来”筋がいいとはいえない。なんだかモヤモヤする”程度の意味しかないのだけれど、アメリカ人にはこの感覚はわからない。ということから来ていると思う。と、アメリカに出向している社員に教えてもらいました。

かくいう私も、アメリカ人からアーキテクチャの説明を受けたときに "IWAKAN" という単語をよく使ったものです。
でも、それが確たる理由があるときであれば ”そうじゃない” と言うわけで、なんか変だぞ?程度に引っかかったときなんですよね。
大体はそのあとよく考えたら違和感の原因が出てきたりするんだけど、直感を感じただけの状態を表す単語として使ってる気がします。

でも、この状態がアメリカ人には理解できない。と言われると
アメリカ人は "make sense" しなかったときに、その瞬間に理由を述べることができるってことなのかなあ?