ゲーム市場の未来(2) - ハイエンドゲーム市場の未来
さて、二回目からはゲーム市場の今後について考えてみたいと思います。
今ゲーム市場は大きく3つの市場があります。
・ハイエンドゲーム専用機
・スマートフォン向けゲーム
・インディーゲーム
そして、新機軸としては2つほど上がっています。
・VR/MR
・クラウドゲーミング
今回はハイエンドゲームについて考えてみたいと思います。
ハイエンドゲーム市場は文字通り最先端のグラフィック技術を活用したゲーム市場です。
国産ゲームとハイエンドゲーム市場
今後、国産ゲームでこの市場を取ることは難しいでしょう。
というのも、最先端のグラフィック技術はアカデミックな知識が要求されますが、日本では高学歴な人がゲーム会社に入社する土壌がないのも大きな理由となります。
また、日本はスマートフォン向けのゲーム市場が非常に大きく、人口一人あたりの課金額も世界最高となっています。
そのため、日本のゲーム会社はハイエンドゲーム市場より、スマートフォン向けのゲーム市場を優先することは避けられない事も関係します。
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海外産ゲームとハイエンドゲーム市場
国産ゲームでハイエンドゲームの市場を取ることは難しいという話をしましたが、海外産ゲームはどうでしょうか。
海外ではハリウッド映画をはじめとして、大きな資金を集める仕組みが出来上がっているのは大きいです。
というのも、ハイエンドゲームの開発には莫大な資金が必要となりますが、その資金の回収は実際に世に出さないと得られませんので、非常にリスクの高いビジネスとなります。
ゲーム会社一社でそのリスクを背負ってゲーム開発をするのは今後難しくなっていくでしょうから、そういった資金調達の仕組みが回っているというのは大きな意味があります。
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ハイエンドゲーム市場の今後
ハイエンドゲーム市場の存続はなかなか難しいと言えます。
先ほど言ったように、ハイエンドゲームの開発には資金が必要となり、使った資金は回収する必要があります。
つまり、それだけのボリュームの市場規模が無ければビジネスとして成立しないということです。
近年、ゲームソフトの小売価格も上がり続けていますが、この流れは止めることはできないでしょう。
なぜなら、ハイエンドゲーム市場のユーザ層の拡大は期待できないため、今居るユーザに対して商売をしていく事になるためです。
仮に開発会社にはいるリターンを1本あたり3000円とします。
ゲームの開発に10億円。宣伝に10億円使ったとします。ビジネスとしてやる以上、最低でも50億円は売上をあげたいところです。
すると、166万本は売る必要があります。
現時点ではワールドワイドで166万本売るのは難しくはありますか不可能ではありません。
例えば、比較的最近発売された新規IPのUbiのDivisionというタイトルがありますが、ワールドワイドの売上はおよそ550万本となっています。
今後、市場規模が縮小していまうと商売にならなくなってしまいますので、いかに現在のボリュームより小さくならないよう務めるかが肝になりそうです。
ゲーム専用機の今後
ハイエンドゲームを遊ぶ環境というと、今はプレイステーション4を思い浮かべる事が多いかもしれません。
しかし、今後もゲーム専用機がハイエンドゲームの中心にいる状態が続くかも危ういところがあると思います。
それは、ゲーム専用機は専用設計されたアーキテクチャを採用し、未来を先取りしたような製品を出す。という方針から、パソコン向けの技術を応用して開発する方向に舵を切っている為です。
実際、年末発売予定のPS4 Proは4.2TFLOPSという性能。来年発売予定のXbox Scorpioは6TFLOPSという性能だとされています。
この性能はパソコン向けGPUでいうとミドルハイくらいの性能です。
現時点で製品化されているハイエンドGPUはベースクロックで8.2TFLOPS。オーバークロックすると10TFLOPSを超える性能があります。
その為、真のハイエンドゲームを遊べる環境は発売時点ですらゲーム専用機では得られない環境になっていまいました。
今後、ハイエンドゲームがハードコアゲーマーの為の市場として継続していけばいくほど、より美しいグラフィックで遊ぶため、ゲーム専用機では満足せず、高いお金を出してでも、パソコンでゲームを遊ぶという方向に流れていくかもしれません。
すると、現在の形でゲーム専用機ビジネスを継続していくことは難しくなる可能性が出てきます。
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まとめ
ハイエンドゲームやハイエンドゲーム専用機の未来はなかなか難しい状態にあると考えられます。
ハイエンドゲーム市場を維持するには市場のボリュームをいかに維持するかが鍵となりそうです。
また、ゲーム専用機が存続するには、手ごろな価格でソコソコの画質でゲームを遊びたい。という層をしっかりはなさず、できればハードコアゲーマーがパソコンに流れないよう努力する必要がありそうです。
※ この記事は個人の主観で書かれており、過去に所属していた会社や所属している会社の見解ではありません。